TOEICのスコアが伸びずに悩んでいる人へ

toeic-logo-tukaerueigo

 

TOEICは、英語を母国語としない人の英語力を判断するツールとして認識されています。特に日本では「英語力」の物差しとして扱われ、就職やキャリアアップ、あるいは会社で昇格するための条件などとして利用されています。

質問内容や形式には独特のスタイルがあるので、対策に取り組めばある程度点数を上げることができます。ただし、「TOEICで高得点=英語が使える人」という方程式は成立しません。

話が少しずれますが、TOEIC受験と自動車免許の実技試験には共通点があるのではないかと思っています。

例えば、車の運転がうまい人に、運転免許の実技試験に合格する自信があるかと聞いたら、多くは断言できないと思います。いつも通りの運転をしていたら、結構な数で失格者がでるのではないでしょうか。

実技試験には傾向と対策が必要です。教習所では、実技の感覚やコツ、減点対象となる項目を学びます。実技にパスするかどうかはゲーム的な感覚がありますし、交通状況や天候等にも左右されるかもしれません。

「自動車免許取得者=運転上手」という方程式が成立しないのと同様に、TOEICで高得点を取るのと(実技試験にパスする)英語で良いコミュニケーションが図れるのは(運転上手)別問題だと思います。

私も一度だけですがTOEICを受験したことがあります。カナダの大学に在学中の頃なので今から15年近く前のことです。テストの流れは知っていましたが、対策を一切せずに受験しました。スコアは930点。15年前と現在のテストレベルに難易度の差があるかもしれませんが、このスコアをどう思いますか?

微妙ですよね。英語圏の大学で学んでいた人が、どうして満点を取れなかったの?大したことないよね、と思ったのではないでしょうか。

この頃、私は現地学生と同じ環境で社会学を学び、自分としては満足な成績をとっていました。それでもTOEICでは930点でした。私の大学の友人は確か900点を越えなかったと言っていました。

TOEICスコアが高得点でなくても、国際ビジネスの場で活躍している人はたくさんいます。実際に英語を使う場では、文法、語彙力云々よりも、英語をアウトプットするスキルが遥かに重要だからです。そして、国際ビジネスの場で必要なのはコミュニケーション能力です。交渉能力があるか、効果的なプレゼンやディベートができるか、主張が通った文章が書けるか、異文化、生活習慣の異なる人たちとうまく仕事ができるかなどです。

日本ではこの部分がばっさりと抜けている人が多いのではないでしょうか。TOEICのみが英語力の判断基準と錯覚している社会の風潮を払拭しなければ、真のバイリンガルは育たないと思います。

まあそうは言っても、スコアを伸ばすことができたら評価されるべきですし、努力なしで達成できるものではありません。ましてや満点を取った人はすごいなと思います。

TOEIC受験を「判断ツールの一つ」とするのは分かります。ただそれにこだわり過ぎてしまっているのが問題なのです。

「英語」をどう使いこなして実生活の場で目的を果たすか。TOEICのスコアばかりにとらわれない、コミュニケーション能力を評価する社会に変わっていってほしいです。そして、英語力をもっと大きな視野で考えられる人が増えてくれるといいなと思います。

スコアが伸びなくて悩んでいる人は、勇気をもって、路上運転から始めるアプローチを取ってみたらどうですか?気づいたら、運転技術も度胸も上がっていること間違い無し!そして時には肩の力を抜いて、TOEICをクイズ感覚で楽しめるといいですね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る