「ネガティブスプリット」でベルリンマラソンに挑む!練習メニューとレース結果

何となく参加した職場の5キロランイベントをきっかけに始めたランニング。気づいたら走ることにのめり込んでいました。練習した成果が数値で確認できるのでモチベーションが持続しやすく、歳とともに体力や筋力に衰えを感じている40代の私にも希望を与えてくれます。

現在ベルリンに住んでいるのですが、毎年9月に開催されるベルリンマラソンでは、世界記録が次々と生み出されています。

「せっかくならベルリンマラソンに出てみたい」と思いたった時から少しづつ走行距離を伸ばし、人生で3度目のマラソンを完走しました。

ネットにはレベルがはるかに高いベテランランナーのコンテンツであふれていますが、今回は、2023924日に開催されたベルリンマラソンに向けて私が取り組んだトレーニングとレース結果について共有したいと思います。ランニングを初めたばかりの人や、マラソン完走またはサブ4を狙っている人、ベルリンマラソンに興味がある人の参考になれば嬉しいです。

目指すはネガティブスプリット!トレーニング内容

私が過去に2度走ったマラソンのベスト記録は、去年9月のベルリンの4時間3439分でした。6’23”/キロぐらいで42キロをジョギングする(時々苦しくて歩いてしまう)ペースです。今年5月に参加した2度目のマラソンでは、それより数分遅いタイムでした。

自己流で練習しても記録が伸びないことがわかったので、今年のベルリンマラソンに向けて、故小出義雄監督の『30キロ過ぎで一番早く走るマラソン』で紹介されているサブ4向けメニューに挑戦することにしました。

小出監督は、「後半型の走り(ネガティブスプリット)」をすることで「実力に関係なく自己ベストを更新」することができると提唱しています。前半をゆっくり、後半を早く走る走法です。これを達成するためのトレーニング内容は、意外とシンプルです。

  • 「タイムトライアル」と「ビルドアップ走」のポイント練習を週1回づつ
  • 「ロング走」を週末に1
  • 「ジョギング」でつなぐ(週2-3回程度)

計13週間のトレーニングです。

本数や距離を細かく調整したりするような、面倒なメニューではありません。

ただ、このトレーニングの重要ポイントは、ジョギング以外の練習は全力で走って終わらせることです。足と心肺に負荷をかけて、ゼーゼーハーハーするまで自分を追い込みます。これがネガティブスプリットを実現するための力をつけてくれました。

距離設定も2週間単位で伸びていきます。最初の4週間は短いですが、最も負荷が重い11週目は毎日走らなければならず、合計75キロ / 週も距離を踏みました。「監督はたくさん走らせる」という高橋尚子さんのコメントが載っていましたが、このサブ4メニューでも後半の走行距離は250キロ以上になりました。

私の普段の月間走行距離はせいぜい120-40キロ程度だったので、トレーニングが5週目に入った頃ぐらいから疲れが溜っていきました。9月に開催されるベルリンマラソンに調子を合わせるには、真夏日でも何とか工夫してメニューをこなさなければなりません。気温が25度以上を超す日も少なくなく、モチベーションをキープするのが大変な時もありました。

そんな時に私がやったのは「このメニューは小出監督が私のために作ってくれたんだ」と妄想すること。この自己暗示は意外と効果的でした!

長くてハードなトレーニングでしたが、幸いなことに、けがや故障は一切ありませんでした。はやりプロが作ったメニューです。自分をかなり追い詰めますが、限界を超えてどこかが痛くなってしまうようなボリュームではなかったです。

本番でどう走るか

トレーニングの最終段階で、自分のタイムをGarminでチェックしながら本番のペース配分を検討しました。『30キロ過ぎで』の本によると、30キロのロング走で5’30”ができればサブ4は確実と書かれています。

実と言うと、私は練習ではせいぜい6分ペースでしか走れていませんでした。サブ4を達成させるためのペースは5’40″なので、1キロあたり20秒も早く走らなければサブ4は成功しません。調子良く早く走り始めて後半歩いてしまう状況になるのが怖かったので、今回は安全に自己ベストを20分縮めるタイム(4時間15分)を目標にしてレースに挑みました。

マラソンの結果

924日のベルリンマラソン当日は、気温が14-20度と良い感じの晴れ日でした。天候のおかげもあってか、今回の記録はネットで4時間814でした。想定タイムより7分早く、昨年出した自己記録より26分早く走ったことになります。ネガティブスプリット走法を目指したトレーニングのおかげで、「30キロの壁」も感じることなく走り切れたのは良かったです。

目標をクリアしたのは喜ばしいのですが、実は、少しだけ後悔したことがあります。

「小出監督のトレーニングを信じて、サブ4ペースでもいけたのではないか….。」

私の過去2回のマラソンでは辛くてしかたなく歩いてしまうほどだったのに、今回は自分でも信じられないくらい最後まで余力が残り、結局不完全燃焼を感じながらゴールしました。

レース中にペースをあげようかどうか何度も自問したんですが、とにかく安全に、予定していたペースを守って、後半大崩れしないことだけを考えてました。

不完全燃焼でゴールしてしまい悔しかったと思えるほどマラソンに強くなったと、前向きに考えることもできますけどね。

ネガティブ OR ポジティブ

自己記録を狙うランナーに勧められているネガティブスプリット走ですが、予定のペース配分を妨げてしまう、自分ではコントロールすることができない要因があります。それは、大半のランナーのペース配分と正反対になることです。

私の少ない経験からですが、マラソンを45時間かけて走る人の多くは、イーブンペースかポジティブスプリット(前半スピードを上げる走法)をしています。参加者が多い大会でネガティブスプリットをする場合、自分より遅く走る人の群れをかき分けて走らなければなりません。私がスタートしたゾーンでは初マラソンの人が多かったので、30キロぐらいから自分よりゆっくり走るか歩いている人にペースを乱されました。スピードを上げたくても上げれず、むやみに蛇行したりしてうまく走れない状態に陥りました。

それでもやめられない

マラソンはその日の天気や大会のコース、自分の体調や仕上がり具合、靴やアウトフィットなど、いろいろな要素が絡み合っての結果なんですね。とっても奥が深く、だからやりがいがあります。ランニングシューズ一足があれば始められるスポーツですが、マラソンの沼にハマると、いかに時間と継続できる体力・気力そしてお金を必要とする趣味なのかがわかります。それでもやめられないのがマラソンです。

42キロも走るマラソンで不完全燃焼を経験した今回のベルリンマラソン。とりあえず、次回はサブ4を達成する自信がついたことは大きな収穫でした。

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