【おすすめギャラリーはこちら】ベルリンのアートシーン

 

「現代アートが面白い」と評判のベルリン。通りを歩いていると、美術館やアートギャラリー、プロジェクトスペースが多くあることに気づかされます。世界のアーティストをマグネットのように引きつけるこの街のアートシーンは、どのように生まれ、発展したのでしょうか。

揺れ動く政治情勢から創出された芸術

第一次世界大戦でドイツが敗戦し、ワイマール文化が全盛期を迎えた1920年代のベルリンは、モダニズム建築や表現主義を汲む芸術が開花しました。麻薬や売春、キャバレーなどのアングラ文化も広まったのもこの時期でした。しかしナチス政権が台頭すると、「退廃芸術」と呼ばれた前衛的な絵画作品が次々に押収、焼却されました。

第二次世界大戦後の1961年に「ベルリンの壁」が建設され、街が東ベルリンと西ベルリンに分割されます。西ベルリンに住んでいた人は地理的に孤立し、東ベルリンはDDRの監視下に置かれました。作家たちの反政府思想が制作活動によって表現され、デヴィッド・ボウイやイギー・ポップなどの外国人アーティストが引き寄せられるようにベルリンを訪れました。

89年にベルリンの壁が崩壊すると、廃墟や空き家が多数存在した東ベルリンに多くのアーティストが流入しました。「真っ新なキャンバス」であったベルリンが現代アートの注目スポットとしてリバイバルした1990〜2000が、この街のピークだったと言う人もいます。

アーティストにとって住む利点が多い街

現在のベルリンも、アーティストにとって比較的住みやすい条件が揃っています。例えば、ベルリンの物価はパリやロンドンと比較して安く、制作に使用する広いスタジオも借りやすいという利点があります。助成金制度も充実し、アーティストとして手続きすると一定の税金免除が適用される点も魅力です。艾 未未(アイ・ウェイウェイ)やオラファー・エリアソン、日本人作家の塩田千春さんなど、世界的な著名アーティストもベルリンを拠点にしています。

ベルリンではギャラリー巡りを

ベルリンには数多くのアートギャラリーがあり、1日で複数のオープニングが同時に催されることもあります。ベルリンのアートシーンをじっくり楽しみたい人なら、最低2、3日はギャラリー巡りに時間を確保することをおすすめします。

ここでは、個人的に気に入っているアートギャラリーの中から6スポットをご紹介します。

KW Institute for Contemporary Art

(https://www.kw-berlin.de/en/)

ベルリンの現代アートといえば、1990年前半に複数のアーティストが集まって設立したKWが有名です。ダイナミックで異色を放つ国内外の作家がフィーチャーされ、現代アートに馴染みがある人も理解に苦しむような、挑発的な作品もあります。新しさを追求しているギャラリーなので、常設展がなく、数ヶ月に一度のペースで新しい企画展が催され、ワークショップやトークイベントなども積極的におこなわれています。KWの展示を見終わったら、中庭のケーキが美味しいカフェがおすすめです。2年に一度開催されるベルリン・ビエンナーレのメイン会場も務めていますので、タイミングがあれば大規模な展覧会が見られます。

住所: Auguststrasse 69, Mitte

Boros Collection

1942年に建設されたバンカー(防空壕)を改築してアートスペースにした、ベルリンでも一風変わったギャラリーです。入場は完全予約制で、ガイドと一緒にギャラリーを見学(所要時間90分)するシステムをとっています。アートコレクターChristian Borosが所有するマーティン・ボイスやパウロ・ナザレスなどの作品を鑑賞しながら、歴史のあるバンカーの建築をじっくり堪能することができます。

住所: Reinhardtstr. 20, Mitte

C/O Berlin

写真に興味のある人にはイチ押しのギャラリーです。2000年に慈善団体として発足し、年間約20の個展やグループ展、ワークショップやレクチャーなどがおこなわれています。アメリカの著名写真家を扱った展覧会が多く、これまでにウィリアム・クライン、アーヴィング・ペン、ジョエル・マイヤウィッツなどの作品が展示されました。オープニングの当日は入場無料で、ギャラリーは、DJの音楽やダンスで盛り上がるパーティ会場へと一変します。

(Joel Meyerowitz “Why Color?” 2017-8)

住所: Oranienburgerstrasse 35/36, Mitte

Galerien Haus

(http://www.galerienhaus.com/)

Galerien Hausは、観光地として有名なチェックポイントチャーリーから歩いて10分弱の場所にあります。1つ屋根に複数のギャラリーがオフィスを構えているので、様々なスタイルの作品をまとめて鑑賞できます。ミニマリズムが好きな人はKonrad Fischer、フィンランドのコンセプチュアルな写真ならGallery Taik Personsがおすすめです。

住所: Lindenstrasse 34-35, Kreuzberg

me Collector’s Room

KWと同じ通りに面するギャラリーで、Thomas Olbrichtのプライベートコレクションを中心に展示されています。見どころは、世界の珍しいものや骨董品を集めた “Cabinet of Curiosities” です。約300の風変わりなアイテムが、独自のテイストで飾られています。一階では主に企画展が行われ、プライベートコレクションからセレクトされた絵画、写真、インスタレーションなどを鑑賞できます。

住所:Auguststrasse 68, Mitte

Blain|Southern

(Chiharu Shiota “Uncertain Journey” 2016)

ポツダム通りは、ミッテ地域に負けないくらい多数のアートギャラリーがひしめき合う注目のエリアです。その中でおすすめなのは、ロンドンを拠点とするBlain|Southernです。ベルリンのギャラリーでは、吹き抜けの大きなフロアスペースを生かしたダイナミックな作品が鑑賞できます。毛糸と日常のアイテムでインスタレーションを制作する塩田千春さんの “Uncertain Journey” 展 (2016)は、とても印象に残る展覧会の1つでした。

住所:Potsdamer Straße 77–87 (Mercator Höfe), Mitte

上記以外にもたくさんのギャラリーや美術館がありますので、現代アートの鑑賞が目的の人は、ぜひ時間に余裕をもって滞在してください。

 

ベルリンで現代アートが発展したきっかけとおすすめのアートギャラリーについてお話ししました。旅行や移住を検討している人のご参考になれば幸いです。

今後もベルリン発のギャラリーやイベント情報をシェアしていきたいと思います。

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