英語学習に2,200時間も費やせない人へー時間がないと嘆く前に
アメリカのある統計によると、日本人が英語を習得するのに2,200時間、年数にすると1.69年(88週間)の月日を要するそうです。統計が定義するLanguage Proficiencyのレベルがどの程度なのかは曖昧ですが、中学校、高校の英語の授業時間数は900時間あまり。受験英語に焦点を当てた授業も含まれますから、トータルの英語学習時間数は圧倒的に不足しています。
授業をまじめに受けてきたとしても、自分の英語に自信を持っている人はそれほど多くありません。特にスピーキングの授業は圧倒的に少ない傾向にあります。読み書きができたとしても、海外旅行にでかけたとき、本場の英語のスピードやアクセントについていけなくて困る人が多くいます。
学習の質もさることながら、英語にふれる時間数が多くなければ思うように上達していきません。机に向かうことだけが勉強ではなく、積極的に自分の生活に取り入れる工夫が大切です。
例えば、NHKのニュースを英語で聞いてみる、ATMを英語に言語変換してやってみる(間違わないように気をつけながら!)、英語で表記されているパンフレット等は、日本語と照らし合わせて読んでみる、などです。
日常生活の中で、英語で言いたい言葉や表現を考えながら生活すると、語彙力が確実に伸びます。私がカナダで社内通訳の仕事をしていたとき、練習として、頭のなかで日本語から英語、英語から日本語と置き換えていく癖をつけました。目の前にあるもの、耳にしたもの、食べているもの、頭の中に浮かんでいることについて、「今通訳を求められたら、どう相手に伝える?」と考えました。分からなければすぐ調べるようにしました。
時間が無いと嘆く前に、ちょっとした工夫を生活に加えることが上達への近道になるのではないかと思います。
英語を効率よく学びたい人はこのレポートをご覧ください。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
>日本人が英語を習得するのに2,200時間、年数にすると1.69年(88週間)の月日を要するそうです。
>統計が定義するLanguage Proficiencyのレベルがどの程度なのかは曖昧です
通りすがりで失礼します。
英語学習の際によくこの2200時間という時間が引き合いに出されるのですが、この2200時間というのは、
1)アメリカの外交官が
2)日本語でILR Scale 「3」というレベルに到達するまでに
3)週に25時間x1年に44週x2年間(つまり2200時間)という授業を受けて
4)なおかつ2年目には現地(つまり日本)に赴任して学習する
という統計の、「(3)の一部」を抜粋しただけの数字です。
つまりは、アメリカ人外交官が日本語を学ぶ際の「単なる授業時間」に過ぎません。
母集団の能力も考慮されていなければ彼らの自習時間(1日3〜4時間とのこと)も考慮されておらず、現地(日本)滞在期間も考慮されていなければ到達レベルすら考慮されていません。
実際のところ、自習時間や日本滞在中に生の日本語に触れた時間も考慮すれば、2200時間どころか5000時間は下らないでしょう。
そして、それを「2年間という高密度で」「外交官という極めて学業優秀な人達が」学習して到達出来るレベルですら、「ILR3」(CEFRでいうB2)でしかないというのが本統計の示すところですね。
そう考えると、言語学習というのはそれこそ生涯学習なんでしょうね。
コメントありがとうございます!そうですね、言語学習は生涯続くもの、という点は私も実感しています。長年英語に携わる仕事をしていますが、英語、日本語の両言語で毎日何かしらの学びや発見があります。この終わりのない英語学習を楽しめるか、それともキリがないと諦め止めてしまうかは人それぞれですし、英語を学ぶ目的にもよるかと思います。