バイリンガルになりたいと思っている人へ

あなたは「バイリンガル」と自称する人にどんな印象を持っていますか。例えば、英字新聞が読める人、ジョーク交じりでアメリカ人と話してる人、字幕なしで洋画が観れる人、高校・大学留学をした帰国子女、などでしょうか。

私もときどき「バイリンガル」と自称しますが、本当にそう言い切って良いのかと考え込んでしまうことがあります。『日本語表現辞典』には、「状況に応じて二つの言語を自由に使う能力があること」 と定義されていますが、どれ位ネイティブスピーカーに近いレベルで二言語が使えればバイリンガルなのか、という部分があまりにも曖昧です。

私は通訳の仕事を長年していますが、洋画を観ていて内容についていけない時があったり、辞書なしでは本が読めないことがあります。また、読んだり聞いたりした英語を記憶しアウトプットする力が、英語が母国語の人と比較して確実に低いことを実感しています。

もしあなたが「バイリンガル」に引け目を感じていたら、その必要はないと私は声を大にして言いたいです。幼少発達期を越えて英語を学んだ人にとって、ネイティブレベルで読み書きをしたりディベートをするのは至難の技です。帰国子女だって、程度の差はあれ、ネイティブ同士の会話についていくのに必死なっていることがよくあります。

私が考える「バイリンガル」の基準は、自分の英語力の範疇外にある「状況」に至ったとき、何らかの情報の追加、補足によりその場を乗り切る能力があることです。日本語を介さず英語のみでものごとを解決することができる力です。

様々な状況にも対応することができる能力とは、知っている単語数や英語表現に限ったことではありません。臨機応変にものごとを考え行動できるかが、語学力のリミットをカバーしてくれます。マイナーなスラングや頻度が少ない単語を無理に暗記するよりも、必要な情報を見極め引き出すスキルを磨くことが大切だと思います。

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