英語でスピーチをする時に大切な4つのこと
先月、久しぶりに英語でスピーチをする機会がありました。本当に久しぶりだったので、スピーチの基本から学び直すつもりで準備をしました。その期間はトータルで3週間!話の構成から原稿に至るまでネイティブチェックを入れ、一人リハーサルを何度も重ね本番に挑みました。
どんな言語で話そうとスピーチの基本は変わらないかもしれませんが、このプロセスをとおしていろいろ学ぶことがありました。今回はその経験から得た「英語でスピーチをする時に大切な4つのこと」について話します。
1. ユーモアは会場をひとつにする
スピーカーの緊張は会場の空気も硬直させます。そのカチカチになった雰囲気に飲み込まれてしまうと、緊張はますます悪化し、頭が真っ白な状態になりかねません。そんな状況を打破する一番の方法は、ジョークを飛ばして聞き手のハートを和ますことです。ユーモアはスピーチの大切な要素です。笑いは会場をひとつにし、聞き手の注目を一気に引きつけることができます。
私がスピーチの内容を考えたときに、笑ってもらえるポイントをいろんなところにちりばめました。一番シンプルなのは自分を笑いのねたにすること。私はスピーチが本当に久しぶりだったのでまず始めにこう言いました。
“I’m a bit nervous today. I think the last time I gave a speech was when I got married!”
「今日は少し緊張しています。そういえば、人前でこのようにスピーチをしたのは、自分の結婚式以来です。」
この一言でみんなの顔が笑顔になり、テンションが一気に和らぎました。
2. アイコンタクトでコミュニケーションを
スピーカーと目が合うと、聞き手は自分の為に話してくれているような気分になります。 私もスピーチをしている最中は、聞き手の目を見るように心がけました。 最前列から後ろのほうに立っている人も含め、いろんな人の顔を見て下さい。中には、携帯をいじっていたり隣と話している人もいるかもしれませんが、人と目が「かちっ」と合う時があります。それは、自分の話に注目してくれている証拠です。話し手と聞き手があってスピーチは成り立つものなので、聞き手を巻き込むためにもアイコンタクトは大切だと思いました。
3、3つの「シンプル」に心がけるー構成、コンテンツ、メッセージ
シンプルな構成
人間のattention span(注意持続時間)が短くなってきている現代、 スピーチはシンプルであればあるほどいいと思います。 聞き手は話の内容についていくために集中しなければなりません。 スライドや資料を使わない場合はなおさらです。伝えたいメッセージを軸として、なるべく聞き手がついていきやすいように話をすすめることが大切だと思います。
出だし良くスピーチをするために、まず始めに、聞き手に「聞く準備」をしてもらいます。これがあると、聞き手は最後まで安心して聞くことができます。
“I’d like to talk about three things today. First, I’d like to start with…. Second, I’ll talk about…. And finally, I’d like to tell you a bit about…. But before I begin, let me explain what I do.”
「今日は、みなさんに3つのことをお話したいと思います。まずはじめに、○○から始めたいと思います。次に、○○について話します。最後に、○○について少し触れたいと思います。まずは、本題に入るまえに、私の経歴について説明させてください。」
シンプルなコンテンツ
スピーチの内容に詳しい人もいれば、初めて耳にする人もいるかもしれません。どんな場でのスピーチなのかにもよりますが、補足説明を十分に踏まえながら話をしていくほうがいいと思います。専門用語は極力一般的な用語に差し換えます。難解なものを分かり易く説明ができるということは、認識が深いことを印象づけます。知ったかぶりをしても、聞き手はけっこう見抜いてしまうものです。
シンプルなメッセージ
自分が伝えたいメッセージはそれほど多くは伝えられませんし、相手も覚えてくれません。私は、自分が一番伝えたいことを3点決めて、それに肉付けしていくようなつもりで原稿を構成しました。自分が訴えたいメッセージをスピーチの間に何度も触れて、強調することが大切だと思います。
大切なことを言う前の前置きとして、こんなフレーズがあります。
Let me explain that again. 「もう一度これ(要点)について説明させてください。」
What I really want to tell you is… 「私が一番いいたいことは。。。」
In summary, I’d like to say that… 「まとめとして、皆さんにこう伝えたいです。。。。」
4. 聞き手に「新たな知識」というお土産を持ち帰ってもらう
多くのスピーカーがしてしまう一番ダメなことは、聞き手を考えずに自分の話ばかりする人です。「自分はこうした、ああした。」と自慢話ばかりで、聞き手に知識を与えないスピーチほどつまらないものはありません。
自分がスピーチをするのは、その内容について特別な知識があること、聞き手はスピーカーから何かを学びたいから会場に集まっていると考えるといいと思います。聞き手が自分の話を通して「新たな知識」を持って帰ってもらうことを目的にし、その為にできるスピーチを準備することが大切だと思います。
聞き手とうまくコミュニケーションをとりながら話ができると、充実感でいっぱいになります。人に何かを与える喜びを感じ、それによって自分に自信がついていきます。そして、その経験の積み重ねが、良いスピーカーになる近道なのではないかと思っています。みなさんも自ら機会を作って、スピーチに挑戦してはいかがですか?
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