留学先の絞り込みに悩んでいる人へー4つのポイント
留学を計画している方から、留学先がなかなか決められないという相談を受けます。確かに、日本国内にある受験志望校を決めるだけでも大変なのに、英語圏全てを視野に入れたら絞り込みに戸惑いますよね。
今回は、留学先を決定する上で頭に入れておきたい4つのポイントをお話ししようと思います。
1. 留学経験者のブログを読んで「理想の留学」を想像する
まずは、実際に留学をした人の体験談を読んで、自分にとってどんな留学が理想なのか考えてみてください。ネットで「留学、体験談」と検索すると、実にいろんなタイプの留学形態や国の情報がヒットします。
ひとつ気をつけたいのは、体験談がどのように紹介されているか、ということです。例えば、留学エージェントや語学学校のサイトに掲載されている体験談があります。このタイプは検索のトップページに上がり、商業的なバイアスが強い傾向にあります。体験談自体がサイト運営者の広告の一部として起用されているので、ポジティブな点が誇張された話が大半です。もう一つのタイプは、留学生自身が運営するブログで、学校についての個人的なレビューや生活体験などが書かれています。中には愚痴っぽい話ばかり書いている人もいますが、語学学校と現地の様子を知るには有効な情報源です。
どちらにも一長一短はありますが、私なら、学生さんが個人で運営するブログサイトを中心に情報収集をします。
2. 自力で手続きするか、留学エージェントを使うか
今やネット環境さえあれば、どの学校へも直接メールでコンタクトをとり、書類請求や学校手続きができます。中には、日本人スタッフが対応してくれる学校もあります。行きたい都市が決まっている人は、現地校へ直接問い合わせをしてみましょう。例えば、行きたい国がトロントなら”English, language school, Toronto”などと検索します。現地スタッフはノンネイティブの英語に慣れているので、躊躇せず問い合わせてみてください。
学校の手続きを一括してやってくれる留学エージェントは、紹介料の契約がある学校のみを推薦するので、優良な学校であるかどうかは別として、選択肢がかなり狭まります。エージェント経由の申し込みに頼っている語学学校は、エージェント側が利益となるように紹介料を上げたり、手続きの簡易化などで他学校との差別化を図ります。よって、皆さんがカウンセリングを受けた時に紹介される学校は、日本人学生の「集客」に力を入れているので、それだけ日本人も集まります。全てを手配してくれる分、楽だし安心だと思うかもしれませんが、そのコストは利用者がカバーするような仕組みがあるのです。
3. 学校の外の環境は?現地の人の英語は?
フルタイムの語学学校に通っても、大抵午後3時ぐらいまでに終了します。どれだけ授業の質が高い学校に通っても、放課後から就寝までの時間をどう過ごすか、自分をどんな英語環境に置くかにより、英語の上達度が異なると思います。
私が在住するマルタの例を挙げてお話しします。マルタは、イギリスの植民地だったことから英語が浸透しました。フィリピンと同様に、英語は、外からやってくる「支配者」とのコミュニケーションを図るのが目的でした。よって、マルタ人同士はマルタ語で会話をするので、学校の外で聞く言語はマルタ語が圧倒的に多いのが現状です。アクセントにもかなりの特徴があり、英語で会話をする時もマルタ語を時々混ぜて話します。マルタ留学にはいろんなメリットがありますが、留学先を決める上で、英語を最大限に吸収できる環境が一番のポイントなら、現地の英語事情もじっくり検討することが大切だと思います。
4. 「2カ国留学」か、一番行きたい国に行くか
「2カ国留学」とは、物価の安い国(フィリピンやマルタ)と高い国(カナダやイギリス)の2カ国にまがたって留学することです。物価の安い1ヶ国目で、個人レッスンや少人数のクラスを受けて基礎英語を集中的に学び、2カ国目で、費用が高いけど自分が一番行きたい国に留学します。これが最近注目を集めていて、大半の留学エージェントが相談者にすすめるそうです。
それを聞いた時、私は???と思いました。一見効率的にも思えますが、果たして本当にそうでしょうか。。。
私なら、期間が多少短くなっても一番行きたい国の学校1つに絞ることを勧めます。なぜなら
- 移動するための航空券や諸費用が意外とかかる
- 学校を変えると、新しい環境に慣れるまで勉強に集中できない
- 長期滞在しないと得られない人との繋がりがある
- 第一志望の国で進学や海外就職など新たな目的が見つかる可能性が高い
からです。
留学は語学を学ぶだけが全てではありません。それ以上に、その土地の文化を学んで外国人と交流することにより、自分の価値観が変化するきっかけを作ってくれます。どの国に行くかによって、出会いや経験が大きく変わります。語学以外の知識や経験が、英語レベルそのものを押し上げてくれる要素となります。
留学を考えていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
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