英語よりこれを学べ—海外留学の本当のメリットとは
海外留学の醍醐味は、外国語を学ぶだけに限ったことではありません。語学学校には世界各国からさまざまなバックグラウンドを持つ学生が集まります。そのような環境に身を置くことは、価値観の多様性を学ぶことであり、生まれ育った日本を再認識することであり、文化の差異を越えた友情を築くことです。
私は20歳の頃、カナダの首都、オタワ市にある大学付属語学学校に4ヶ月通学しました。そこにはアジア、中南米、中東と、少数のヨーロッパ人などが就学していました。
どの国で英語を学ぶかにより、集まる学生の国籍配分が若干異なります。オタワ市には中東の移民が集中していることから、サウジアラビアやトルコ人の学生が多く、カナダから地理的に近いメキシコや南米からの学生もいました。もちろん、日本人や韓国人の割合も多かったです。
日本ではあまり関わる機会がない国の人たちと一緒に過ごす時間は、とても刺激的でした。共通語である英語を使って、グループで一緒に飲みに行ったり図書館で勉強したり。よくしたのは「ポットラックパーティ」です(持ち寄りパーティ)。各自がこれぞという自慢のお国料理をみんなでシェアしました。私はお寿司やからあげをリクエストされましたが、中東の人たちはハラフェルやタブーリなどのアピタイザー系、中国人は春巻きや酢豚、韓国人はキムチにブルゴギなどを作ってくれました。
自分が持っていた根拠のない固定観念も揺らぎました。私は韓国人の親友をカナダで作ることによって、韓国に対するステレオタイプが無くなりました。以前はあまり興味が無かったトルコやイラン情勢についても、友達が体験談を交えながら教えてくれました。さまざまな国の人と知り合いになると、自分の視野や興味が広がっていくのを実感するものです。
世界中の仲間と一緒に学ぶ体験は、日本ではなかなかできないことです。日本人である自分を認識すると同時に、個としての自分にも向き合うことになります。文化の違いからくる価値観の差異をありのままに受け入れる勇気、いわゆるフレキシブルな感覚を養いつつも、相手に流されない意志を持つことが大切だと思います。
みなさんも海外生活でたくさんの異文化体験をして、かけがいのない友情を築いてください。そして無限大に広がる自分の可能性を見つめ直すきっかけにしてください。
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