マルタ人がこよなく愛する国民食とは?
マルタには近隣のイタリアやスペインのように洗練された名物料理がありませんが、唯一、マルタの国民食として国内外で認識されているのは “Pastizzi”(パスティッツィ)というスナック菓子です。
Pastizzi はひし形をした手のひらサイズのパイで、その中にリコッタ(フレッシュチーズ)、もしくは、つぶした豆のペーストが入っています。 食感はカリッとしていて味付けも淡白ですが、生地に染み込んだラードで脂ぎっています。マルタ人はこれを朝食代わりにしたり、小腹が空いた時のスナックとして時間帯を問わずに食べます。値段の相場は1個あたり30セントですが、観光地などでは1ユーロで販売する店もあります。
日本のコンビニのように、マルタのどの町に行ってもPastizziのお店を見つけることができます。30セントという安さと手軽さから、マルタ人の常食に位置付けられています。日本人が持つおにぎりへの愛着に似ているかもしれません。道端で話をした見知らぬおじさんは、朝に10個も平らげたと言っていました。
マルタのプライドを背負った国民食を非難する訳ではありませんが、決してヘルシーなスナックとは言えません。ラードがしっかりしみ込んでいるため、カロリーは平均350klとかなり高め。EUが行った2016年の調査によると、マルタ人の肥満率はEU内で第1位。4人に1人以上が肥満だそうです。Pastizziの食べ過ぎは国民の肥満率を更に悪化させるということで、賛否両論の意見もでています。
しかしながら、このスナック菓子の人気には根強いものがあります。 数年前の4月1日のエイプリルフールのジョークで、EUがPastizziを禁止するというウソの告知がネットで流れ、それを本気にした人たちの間で大反発が起きました。マルタではPastizziの悪口を口にするのはやめましょう!
Pastizziのエイプリルフールジョークに関する記事を読む(Times of Malta)
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